フラ・アンジェリコの《聖告》やボッティチェッリの《プリマヴェーラ》など。クアトロチェント(イタリア15世紀)に描かれた名画の数々は今日も私たちの前にある。しかし、これらを生んだ「クアトロチェントの眼」と現代の私たちの眼は、果たして同じものを見ているのだろうか? 「社会→絵画」という一方向的な決定論に陥ることなく、著者は絵画というテクストを社会というコンテクストの中で読み解く作業をしている。社会と絵画が共有している基盤を、つまり15世紀特有の〈認識方法〉〈クアトロチェントの眼〉をさぐっているのである。(1989年版の「訳者あとがき」より)

